ハイリーセンシティブパーソン(HSP)ハイリーセンシティブチャイルド(HSC)の相談事例と対策

ハイリーセンシティブパーソン(HSP)ハイリーセンシティブチャイルド(HSC)の相談事例と対策

家庭教師のえーるには、HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド）の特性を持つお子さん、親御さんから沢山のご相談が寄せられています。HSCは、感受性が強く、他人の感情や環境の変化に敏感に反応する特性があり、学習面でも独自の課題を抱えることがあります。ここでは、えーるに寄せられたHSCに関するご相談事例と、家庭教師の具体的な支援方法についてお伝えします。

※一般的な大人の場合はHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン）という呼び方ですが、ここでは子供が対象なので、HSCと表記してお伝えします。

中学２年生・Mさんママからのご相談

Mさんは、HSⅭの特徴が強くみられる中学２年生の女の子です。

Mさんは小学校の頃から周囲の雰囲気や、他人の感情にとても敏感で、教室が少し騒がしいだけで集中力が削がれてしまうそうです。また、学校で友達同士のトラブルなどを見ているだけで、強く影響を受けてしまい、当事者のように心配になってきます。こうした敏感さが原因で、学校から帰宅すると疲れ切って、家での勉強に取り組む気力は残っていません。

家でも少しでも騒がしいと集中できなくなり課題が進まず、提出が遅れることも多いようです。「わかってるのにできない…」と涙を見せることもあり、お母さんはどうサポートしてやればいいか悩んでいました。

家庭教師えーるの指導と対策

１．感情を受け止めるコミュニケーション

Mさんは、学校での出来事や人間関係に影響されやすいということだったので、家庭教師の先生は、お母さんの承諾を得たうえで、指導の最初の時間を使ってえ少し長めの雑談する時間を設けました。その日の学校での出来事や、今ハマっていることなど、何でも自由に話せる空気を作りました。後でМさんから聞いた話しによると、その時間によって気持ちがリラックスできて、スムーズに勉強に入っていくことができたようです。人は不安なことがあると難しい話しは入ってこないものです。特に、HSCのお子さんには、まず感情を受け止めてあげることが信頼関係を築く第一歩です。

２．スモールステップ学習を取り入れる

「Mさんは、課題が多いとプレッシャーになる」という話しを、事前にお母さんから聞いていました。だから家庭教師の先生は、少しずつ進めていく「スモールステップ学習」で指導することに。具体的には、「今日は数学この３問だけしよう」「英単語は５つだけ覚えようね」といったように、無理なくできる小さな目標設定をします。こうした小さな成功体験を積み重ねることで、Mさんは自信をつけ、少しずつ確実に先に進むことができました。このようなスモールステップ学習は、HSPのお子さんがプレッシャーを受けずに学んでいける有効な学習法かもしれません。

３．ポジティブなフィードバックをしてあげる

Mさんは自己評価が低く、失敗を過度に気にする傾向があるようです。そこで、家庭教師の先生はМさんの小さな成果を見逃さず、積極的に褒めるようにしました。「今日は前よりも進んだね！」「スムーズに解けるようになったね！」と、具体的な言葉をフィードバックしてあげました。このようなポジティブな評価をしてあげることは、特に自己評価の低いHSCのお子さんにとって自信になり効果があります。

Mさんのお母さんも、「先生に沢山褒めてもらって、機嫌よく勉強できるようになりました。先生の事を信頼しているみたいで指導の日を楽しみにしています」という感謝の言葉をいただいています。